■リボン幅 |
最初に考え方が誰かは分かりませんが、リボン幅の基本はインチ、つまり日本ではあまり使われることがない尺度が採用されています。 例えば、弊社サイトで販売しているプリントリボンは12ミリ、18ミリ、24ミリの3サイズをご用意していますが、それぞれ2分の1インチ、4分の3インチ、1インチに対応しています。 ややこしいのは、1インチが本当は25.4ミリであること。そうなると、2分の1インチは12.7ミリですので、四捨五入して13ミリとしている企業もあるのです。他の幅もしかり、リボン幅があいまいな一因です。 ところで、リボンっていったい何種類あるの?と聞かれて答えられる人はまずいないだろうと思います。リボンの素材や色、幅などを掛け算していくと、気が遠くなりそうなところがリボンの神秘、と言うのはやっぱり無理がありそうですね。 |
■リボンの長さ |
リボンはロール状になっています。つまり、着物の生地と同じ巻き物(反物)。折りたたむとシワが出来るので巻く、というのは単純ですが優れた知恵ですね。ですので、たまにリボンが折りたたんで袋に入っているのをみると、ちょっぴり悲しくなります。シワはリボンの敵なのに……。 思わず脱線してしまいましたが、それではロール状になっているリボンの長さはどうなのかと言いますと、これまた、まちまちで申し訳ないくらい。30mがスタンダードと言われていますが、実際には、15mあり、23mあり、25mあり、50mありときりがありません。 理由は、糸や生地(原反)の長さにあります。例えば、糸の長さが120mの場合は、もちろんリボンに織っても120mの長さになる訳ですが、それではロール状にした時に直径が大きすぎて扱いづらいということで、きりのいい長さとして30mや60mで切ってしまうという訳です。 また、広い巾の生地(原反)を細長く切ってリボンにする時も、生地(原反)の長さが50mですと、そのままか、あるいは半分に切って25mにすることもあります。あくまで生地(原反)まかせなのです。 蛇足ですが、高価格のリボンの場合は、巻きを短くして見た目の単価を下げる、という方法を採用しているお店もあります。ですので、リボンを購入する場合は、1メートルあたりの単価を比較しましょう。単純ですが、優れた知恵でしょう? |
■リボンの作り方 |
リボンには2種類の作り方があります。ひとつは、リボンを1本ずつ織っていく方法。もうひとつは、広幅の生地を細長く切ってリボンにする方法です。 まず、リボンを1本ずつ織る方法というのは、希望のリボン巾で1本ずつ織りあげていくということです。1台の機械に1本ではあまりに効率が悪いので、通常は複数本を同時に織ることになります。機械に糸をかけたり、織ったりするのに時間はかかりますが、1本1本が織物ですので、生地がしっかりしていて耐久性があり、高級感もあります。 次に、広幅の生地を細長く切ってリボンにする方法ですが、これは例えば紙を細長く切って短冊にするのと同じように、1m前後の巾の生地を希望のリボン巾に細長く切っていく訳です。もちろん刃物で切るとほつれますので、熱や高周波などで切り口を溶着させながら切っていきます。生地さえあればあっと いう間にリボンが出来上がりますので、納期がかからないのが一番のメリットです。あと、値段が比較的安いことかな。 どちらがいいとか悪いとかではなく、用途と予算に合ったものを選ぶことが大切だと思います。リボンも結構「ピンキリ」ですから。 |
■リボンの素材 |
リボンの素材というのは、リボンを構成している糸(原糸と呼びます)のこと。つまり、繊維名となります。 繊維は大きく分けると、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維に分けられます。そこから更に枝分かれして、天然繊維の中には絹や綿など、再生繊維にはレーヨンなど、合成繊維にはポリエステルなどというふうになります。 リボン素材として多く見かけるのは、綿(天然繊維)、キュプラ(再生繊維)、アセテート(半合成繊維)、ポリエステル、ナイロン、アクリル(合成繊維)といったところでしょうか。レーヨン(再生繊維)は国内での原糸生産がほぼ無くなりましたのであまり見かけなくなりました。 それぞれの繊維には固有の特徴がありますし、同じ素材でも原糸の形状によって、リボンになった時の見え方が違ったりします。最近は、あまり素材にこだわらず、むしろ価格で決められてしまうことも多いのが寂しいところ。リボンにも、費用対効果が求められるのです。 |
■リボンの色の付け方 |
まあ、ずいぶんと直接的なタイトルだなと思いつつ、でもお客様との会話を思い起こすと「色の付いているリボン」とおっしゃる方が多いので、これがいいだろうという結論に達しました。 前置きが長くなりましたが、リボンの色の付け方とは、すなわち「染色の方法」ということになります。大きく分けると、「先染め」「後染め」の2種類になります。 先染めは、文字通り、リボンの形になる前に染める場合です。つまり、糸の段階、あるいは広幅の生地を細く切ってリボンにする場合は広幅の生地の段階で染めるのです。一方、後染めは、リボンの形になってから染色を行います。織ったリボンをまとめてお釜にポン!という方法です。 どちらを選ぶかはリボンの種類や必要数量によって決まります。少なくとも筆で絵の具を塗っているのではない、ということを分かって頂ければ本望です。 |
■リボンの用途 |
当然と言えば当然なのですが、リボンには包装用、つまりラッピングに使われる以外にも、さまざまな用途があります。 大きく分けると、包装用と服飾用となります。服飾用とは、アパレルと呼ばれる洋服を始め、帽子、手袋、バッグなどの飾りとして使われるリボンです。 包装用と比較すると、品質の良い織リボンが多用され、価格も高めです。多品種少量の品揃えが求められます。 一方、包装用は、どちらかと言えば価格重視、つまり品質よりも低価格のものが多く流通しています。販売するのではなく、お客様に無料でサービスするお店が多いからだと思います。また、一般包装用と花材、つまりお花屋さんで使うのに適したリボンに分けることもあります。さらに、店頭の装飾(ディスプレイ)に使うリボンは花材に含める場合が多いようです。 リボンの用途って案外広い、ということがお分かり頂けたでしょうか。 ところで、頂いた品物に付いていたリボンって捨て難いものですよね。シワになった部分は仕方ないとして、まっすぐできれいな部分はリボンシールにしたり、食べかけの菓子袋の口をしばったり、ぜひ活用して下さいね♪ |
■リボンの結び方 |
見かけはいろいろありますが、基本は「蝶結び」です。ところが、意外と「正しい結び方」にはお目にかからないのが不思議なところ。もっとも、最近は靴ひもにしても、結ばなくていいものばかりですので、ますます結べなくなっていくのかも知れませんね。 さて、正しい「蝶結び」ですが、言葉だけで解説するのは難しいので、ぜひサイトの「ラッピングに挑戦!」コーナーをご覧くださいね。イラストで解説していますので、分かりやすいのではないかと思います。最初のゆわえ方によっては逆方向になる場合もありますのでお気をつけ下さい。 蝶結びが正しく出来れば、ダブル蝶結びはもちろん、表裏のあるリボンの結び方も簡単にマスターできてしまいます。ちょっとしたコツなので、知らぬは一生の損(大げさ?)だと思って、ちょっとだけのぞいてみて下さいね。 |
■リボンのかけ方について |
と言っても、そんなに多種類ある訳ではありません。基本は「十字(クロス)がけ」と「斜め(ななめ)がけ」の2つです。 「十字(クロス)がけ」は、古新聞をまとめる時などにやる、あの方法です。 ところが簡単そうに見えて、案外失敗することが多くありませんか?リボンを結ぼうとして、あっちをくぐらせたり、こっちに回したり。実は、リボンを十字に回しかける時にも順番があるのです。詳しくはサイトの「ラッピングに挑戦!」コーナーをご覧くださいね。 もうひとつの「斜めがけ」ですが、こちらもリボンを回しかける順番を間違えると、後ろでリボンが「×(ばつ)印」になってしまったりします。こちらも「ラッピングに挑戦!」コーナーをご覧いただければ、イラストで解説しています。 基本を正しく覚えれば、そこから「こんなふうにも出来るかも。」という応用が浮かんでくると思います。まさにそこからがオリジナルラッピング。楽しむためには基本が大切ということですね。 |
■ラッピングの道具 |
とりあえず、「はさみ」「カッターナイフ」「セロテープ」の3点があればOKです。「はさみ」はリボンを切る時に使います。刃がギザギザになった「ピンキングばさみ」は以前ご紹介しましたよね。これも何かと便利です。 「カッターナイフ」は包装紙を切る時のためのものです。はさみで切ると、切り口がギザギザになったり斜めになったりしますので、包装紙を切る時はカッターナイフか「アピールカッター」を使いましょう。「アピールカッター」というのは、本名を「シールはがし」と言いまして、刃の部分を切断部分に密着させることが出来るので、簡単きれいに包装紙を切ることが出来ます。なお、カッターナイフは刃の幅が細く、スリムなボディのものを選んでください。荷造り用のゴッツイのはダメです。 「セロテープ」は、もちろん包装紙で包む時に使う訳ですが、あまりベタベタとたくさん貼りますと、贈られた方が包みをほどく時に大変な思いをすることになりますので、使用は最小限に。より、美しい仕上がりにしたい場合は「両面テープ」でとめるといいでしょう。 その他には、ホチキス、ワイヤー、定規などもあると便利と言われますが、私の場合はほとんど使いません。ラッピングって、案外、手軽に始められるものなんです♪ |
■ラッピングの季節性 |
ラッピングの楽しみのひとつに、季節による材料の変化があげられると思います。難しい言い回しをしてしまいましたが、要は、包装紙やリボンにもシーズンがあるということ。一番わかりやすいのは「クリスマス」ですよね。 クリスマスが近づくと、ラッピング用品売り場には主に「赤」「緑」「金銀」の包装紙やリボンが並びます。柄も、ツリーや雪だるま、リースなど、クリスマスにちなんだものになります。もしも、クリスマスプレゼントが黒の包装紙で包まれて白いリボンがかかっていたら……メリークリスマスではなく、ホラークリスマス。 これは極端な例ですが、季節ならではの包装紙やリボンが登場するのは、2月のバレンタイン、3月のホワイトデー、5月の母の日、6月の父の日など意外と多いんです。最近は、10月のハロウィンも定着してきたようですね。着せ替え人形のような楽しみがあるのはラッピングの特長と言えるのでは? お店のディスプレイが変わるのを見るたびに、時の流れを感じることのできるラッピング。ちょっと素敵!と思われませんか? |
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